冬の運動不足と春の活力 肝と筋
日々是はり灸接骨日和ニュースレターvol.5 no.1
- Mar.2024 -
冬の運動不足と春の活力 肝と筋
3月に入ると吹く風も暖かくなり、スポーツや山歩きなど外に出て体を動かしたくなるのも、季節の変化と気持ちの変化につながりを感じます。
冬の間、体を休めていた人は、運動不足からケガをしないように少しずつ体を慣らしながら始める必要がありますが、季節に応じて変わる体の働きを知ることで、より健康的な体作りができると思います。
体内の活動は一年中同じではなく、季節の変化にともない、体の活動も変わっていくと考えるのが東洋医学です。
東洋医学では肝、西洋科学では肝臓となりますが、体の役割としてとらえるか、臓器としての機能ととらえるかの違いが、同じ肝でも同じではないという分かりにくいことになっています。
気持ちの変化は、肝の影響?
東洋医学では、春になると肝の影響が強まります。肝は全身に血をめぐらせ、気の動きを調整することで内臓の働きを整え、冬に溜めた老廃物を排泄していくため気が高まります。
肝の働きである気の活動は、活気でもあります。春となり体に活気が満ちてきて、ほどよくであれば健康ですが、溢れるほど高まったり、不足したりすると肩こりや頭痛、倦怠感だけでなくイライラや憂鬱感など気持ちにも影響してきます。
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肝は筋
肝の働きは、靱帯や筋・筋膜にも関係しており、筋に血がめぐりしっかりと栄養が行き届かないと筋の質が悪くなり、引きつりや弱化などケガや病気の原因にもなります。
筋がすぐに引きつったり、すぐに疲労する場合、筋力低下だけでなく筋の質が悪くなっていかもしれません。
春は、肝の活性するときですが、バランスが大切で過ぎても不足しても体には負担となり、肩こりや首筋のつっぱり、頭痛など肉体的不調だけでなくイライラ、憂うつ感など精神的な不調となってあらわれてきます。
肝をいたわるためにも、軽い運動と十分な栄養を摂って無理をしないことです。
ゆっくりと伸びやかに運動
運動不足の人や元気が出ない人は、激しい運動ではなくゆっくりとした体操や運動から始めましょう。
ゆっくりと伸びていくイメージで、関節や筋肉を伸ばし関節や筋肉に血をめぐらせ、滞りを解消することが大切です。
たとえば、体を曲げる体操では、曲げることを意識すると関節を傷める原因となるため、曲げることよりも伸ばされる側の筋肉を意識して、目的の筋肉を伸ばすように曲げていくことで筋肉をしっかりと伸ばすことができます。まずは、ゆっくりと呼吸を意識し伸びるように伸ばすことから始めましょう。
伸ばす意識の体操 参考ページ
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運動は、体を作るだけでなく脳も腸も活性
最近の研究で、運動などで筋肉を動かすと生理活性物質、マイオカインが分泌され筋肉自体だけでなく、運動をすることにより記憶力が高まるなど脳へ作用したり、血管や臓器などにも影響を与えることがわかってきました。
筋運動とマイオカインの影響を考えると、肝と筋の関係から体内の血液循環や内臓の調整に影響することにつながりを感じます。東洋医学の肝とマイオカインの作用は理解するためのカギが1つ開いたように感じます。
運動と筋肉のケガ、筋挫傷
運動をすることで、筋肉の質が変わるだけでなく、体全体に影響を与えることが分かってきましたが、運動にはケガがつきものです。
筋肉のケガというと筋挫傷・肉離れでしょうか。筋肉を損傷することを筋挫傷といい、人や物との接触や転倒のように筋肉に直接外力が加わることで発生したり、ジャンプやダッシュ、方向転換のように瞬発的外力で発生したりします。
肉離れも筋挫傷ですが、スポーツや日常動作で筋肉に力を入れた際、自分自身の筋力により筋損傷を起こす外傷のため分けて表現さることもあります。
直接的外力での筋挫傷については予防は難しいのですが、肉離れのように自己筋力による損傷では、発生する要因があるためある程度防ぐことができます。
肉離れは、急な動作や繰り返しの動作、同じ姿勢を保持するような動作が要因となってききます。特に繰り返しや保持動作では筋に疲労が溜まりやすく、些細なこと、「弱い力」でも肉離れを起こす可能性があります。
運動不足の人で筋肉が弱くなっていたり、柔軟性が低下していると筋肉は疲労しすく、スポーツをする人では、過度な運動で筋疲労が溜まっていたりします。
運動不足の人は、無理をせず徐々に強度を上げ、筋肉を鍛える時は、目的の筋肉と連動する筋肉、インナーとアウターマッスルなどバランスを考えたトレーニングが大切です。
疲労がケガの原因?
疲労は要因であって肉離れの原因ではありません。どんなに疲労が溜まっていても何もしなければ肉離れにはなりませんので原因となる動作があるはずです。
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肉離れは、スポーツ選手だけでなくトレッキングやウォーキングなど趣味や健康目的の運動でも起こる可能性があります。質のよい筋肉を作るためは、腕立てや腹筋、スクワットなど体の基礎を作る運動は大切です。 ケガをしないためにも十分な休息と栄養、無理のない運動を続けてください。
食べて元気!~シラウオ
シラウオの旬は2~4月で、産卵のため川に上ってくる早春が旬とされています。体長は10センチ以下の小さな魚で、新鮮なものほど透き通って美しいとされています。
栄養的にもタンパク質、ビタミンB12、ビタミンEなどが含まれ、卵とじにすればタンパク質もさらにアップします。シラウオは、新鮮であれば寿司種にしたり、佃煮、天ぷらという食べ方もできます。
シラウオとシラスは、同じだと思っていましたが全く違うようです。シラウオは稚魚ではなく成魚になっても白く透き通った魚だということです。
あとがき
4月は年度初めでもあり、新入生、新社会人だけでなく多くの人が忙しい月で、ストレスが溜まりやすい時ですが、気持ちや生活習慣などを切り替える良いタイミングでもあります。
運動で筋肉を使うと様々な生理活性物質が分泌されることなどがわかってきましたが、筋肉の柔軟性などは、女性ホルモンとも関係があるようでなかなか深いですね。
健康を維持するためのスポーツやトレーニング、関節や筋肉のケガによる痛みの治療についてなど、接骨院・鍼灸院ニュースレターです。
トレーニングや食事などの記事については、体調、体質に配慮して自己責任でお願いいたします。
- 掲載日:2024/03/15
- 更新日:
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