掲示板 Mar.2023
blur_linear春の養生と東洋医学
春は東洋医学では五臓のうち「肝」と関係性が強いと考えられています(図)。一般的な肝臓の働きとしては、蛋白の合成・栄養の貯蔵、有害物質の解毒・分解、食べ物の消化に必要な胆汁の合成・分泌ですが、東洋医学では、疏泄、蔵血という働きになります。
体の生理的機能は気の運行と関係していて、肝は気の運行を調整し栄養や老廃物の調整をしたり、血液を貯めたり流したりなどの循環の調整を行っています。

「東洋医学は、つながりとバランスの医学です」
体調不良や管理に鍼灸治療
立春は春の始まり
暦では立春(2月上旬)~立夏(5月上旬)までのおよそ3か月間が春となります。
春は、冬の陰気から陽気が高まる時で、草木が芽吹くように気血がめぐり、心身共に元気になる時期ですが、陽気が高まり過ぎたり、反対に弱くなると体調がすぐれなくなります。例えば、肝の力が弱く血が不足するとイライラなど心が不安定になったり、めぐりが滞ると肩こりや筋肉のひきつりなどを起こすようになります。
体の働きも芽吹く草木と同じように自然とつながっています。冬に貯めたエネルギーを解放しながら体に活力を与えていきますが、同時に老廃物も排出し代謝を盛んにしていきます。
入学、入社など年度替わりでの環境の変化はストレスなります。肝の働きを助けるように睡眠、食事、運動など生活習慣を見直し過ごすようにしましょう。
春の食養生
春の旬の食べ物(春菊、たけのこ、セロリ、菜の花、ごぼう、小松菜など)を取り入れた食事は、肝の働きを改善し、気血をめぐりを助けます。また、「酸味」も有効ですので、酢や柑橘系の果物、梅干しなども合わせて摂るようにしましょう。
暦や旬というと現代の生活の中では、古い習慣のように感じてしまいますが、暦や旬は、自然環境と体をつなぎ、楽しく健康に生きるための指標になります。
院内に掲示している内容を加筆し掲載しております。