肩を動かす三角筋の痛みと鍼治療~肩痛と鍼治療
日々是はり灸接骨日和ピックアップ Vol.05 No.01
肩関節と三角筋
三角筋は、肩の外側にある筋肉で、回旋筋腱板と呼ばれる棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋を包むようにあり、腕を前、横、後へと動かす筋肉で、肩関節の運動に重要な筋肉となります。
三角筋は体の外側に位置するため、転倒、接触などの直接外力で傷めることもありますが、腱板損傷などスポーツでのケガ・障害、繰り返し動作から関節を傷め、運動筋である三角筋に負担がかかり痛みを起こすこともあり、三角筋が硬くなっていたり圧痛がある場合は、回旋筋腱板だけでなく三角筋へのアプローチも必要となります。
こんな痛みには三角筋へのアプローチ
- 肩関節周囲炎(五十肩)
- 回旋筋腱板痛
- 上腕二頭筋腱痛
- その他の肩関節痛
肩関節のケガ・障害では、関節を安定させる回旋腱板や靱帯の損傷から肩関節の機能が不安定となります。そのため三角筋にストレスがかかり筋肉の伸張性や滑走生が低下し痛みが強くなります。
三角筋への鍼灸施術
三角筋にある経穴(ツボ)として、肩髃穴、巨骨穴、肩貞穴、臑兪穴、臑会穴、肩髎穴、雲門穴がありますが、正経の経穴だけでなく奇穴、阿是穴と呼ばれている正経穴以外の経穴もあります。
- 肩髃穴、巨骨穴:手陽明大腸経
- 肩貞穴、臑兪穴:手太陽小腸経
- 臑会穴、肩髎穴:手少陽三焦経
- 雲門穴 :手太陰肺経
※雲門穴については、含めない場合もあります。
経絡上にある正経穴は、三角筋の起始と停止周辺となりますが、筋肉の中央の筋腹あたりは奇穴、阿是穴と呼ばれている経穴があり、症状に応じて選穴していきます。
鍼灸治療の目的は、痛みや疲労の原因となる血流と筋・筋膜の癒着・歪みの改善です。
過度な筋緊張による血流低下や筋・筋膜の癒着・歪みによる痛みが、さらに痛みを強くするスパイラルを断ち切ることが重要となります。
鍼による筋・筋膜へのアプローチ
三角筋は表層にあるため、筋・筋膜へのアプローチはマッサージでも可能ですが、筋・筋膜へ直接アプローチできる鍼治療は血流や筋・筋膜の癒着・歪みを効果的に改善することができます。
筋腹への鍼施術
三角筋の過緊張状態や滑走性の低下による圧痛点や硬結点は、鍼施術後に筋・筋膜へのマッサージを行う方が痛みが少なく、効果的に進めることができます。
三角筋は、1つの筋肉ですが前部、中部、後部線維と分かれているため、それぞれの線維部の硬結や圧痛点や線維間を施術ポイントとしてアプローチしていきます。
※施術方法や内容は、症状によって変わります。
あとがき
立春も過ぎ、春に近づいて行きます。運動も屋内から屋外へとなってきますが、体の基礎となる筋トレなども続けていけるようにしましょう。
今回は、肩の運動痛に対して三角筋をピックアップして鍼灸治療について書いてみました。もう少しイラストなどを掲載できるといいのですが、描くのに時間がかかるため少しずつ更新できればと思っています。
今年は、いろいろとありそうな年ですが、元気に前を向いて過ごしたいですね。
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- 掲載日:2024/02/12
- 更新日:2024/04/01
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