中府・雲門・天府

中府（LU-01）

由来

中府（ちゅうふ）の「府」とは、集まるところを「庫」または「府」といい、経気が集まり、神気の集まるところ。中府は、手足の太陰経の脈気が会するところで、中焦の気が上がり、胸中の神気が集まることから命名される。
※由来には、諸説あります。

要穴

• 肺の募穴
• 手足太陰の交会穴

ツボの位置

鎖骨外端の下方の陥凹部から下に１寸、第１肋骨間隙中に取る。

主治・作用

鼻水、鼻づまり、咽喉の腫れ、痛み、咳嗽、喘息、胸痛、気管支炎、肺炎、嘔吐、食欲不振、四肢の腫れ、肩痛、五十肩、背部痛

• 肺の募穴であり肺疾患治療の常用穴
• 粛降肺気
• 和胃利水

局所解剖

筋・筋膜

皮膚－皮下組織－大胸筋－小胸筋－胸腔

血管・神経

腋窩動脈、橈側皮静脈、胸肩峰動・静脈

鎖骨上神経、前胸神経

その他

雲門（LU-02）

由来

雲門（うんもん）の「雲」は、雲霧を指し立ち上る湯気のようにもやもやしたこもった様子。「門」は、気の出入り口の意で、太陰肺経の脈気の始まる所。
※由来には、諸説あります。

ツボの位置

鎖骨外端下縁で烏口突起の内方

主治・作用

咳嗽、喘息、胸痛、胸中の煩熱、肩・背部の痛み、五十肩、上肢の神経障害、四肢の冷え、四肢の熱

• 粛降肺気
• 清利肺気

局所解剖

筋・筋膜

皮膚－皮下組織－三角筋－胸鎖筋膜－烏口鎖骨靱帯

血管・神経

腋窩動脈、橈側皮静脈、胸肩峰動・静脈

鎖骨上神経、前胸神経

その他

天府（LU-03）

由来

天府（てんぷ）の「天」は、身体の上部。「府」は、諸気のが集まる肺の意味。
※由来には、諸説あります。

ツボの位置

上腕部で、上腕二頭筋外側の筋溝で腋窩横紋前端から尺沢穴に向かい下3寸

主治・作用

咳嗽、喘息、肩・上腕の痛み、五十肩、上肢の神経障害

• 通宣肺気
• 清熱涼血

局所解剖

筋・筋膜

皮膚－皮下組織－上腕二頭筋

血管・神経

上腕動・静脈

外側上腕皮神経、筋皮神経

その他

取穴方法として腋窩横紋前端から外側１寸（沢田流）とあり、この場合、上腕二頭筋腱となるため肩の痛みでは、こちらを使う事もあります。