南接骨院・鍼灸院
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殿筋を鍛えてヒップアップ
姿勢は若さの秘訣

殿筋の衰えは老化の始まり

日々是はり灸接骨日和
ニュースレター2020vol.3

年を重ねるごとに足腰の筋肉の衰えは体型だけでなく姿勢や歩行に影響するため、30才を過ぎたら積極的に運動することが大切ですが、日常生活の動作だけでは、お尻や脚の筋肉は衰えて痩せてしまうため、姿勢を保ち美しい張りのあるお尻にするには殿筋を意識して鍛える運動を行う必要があります。

お尻の筋肉:殿筋は色々と重要

殿部の筋肉は見た目だけでなく、立つ、歩く、屈むなどで安定した動きをするための重要な筋肉ですので、殿筋を鍛えることで立った姿勢や歩行時のバランス力を高め姿勢もよくなり、張りのあるお尻は若々しく元気な後ろ姿になります。
殿部の筋肉は、股関節を伸展する筋肉ですが、太腿の後のハムストリングも同じように作用するため、殿筋とハムストリングの筋肉トレーニングにトライしてましょう。

お尻の筋肉をチェック

殿部の筋肉は、小さな筋肉から大きな筋肉までたくさんありますが、殿筋群と呼ばれる大殿筋、中殿筋、小殿筋の位置関係をチェックしてみます。

殿筋の解剖イラスト

大殿筋は最も大きく殿部を形づけますが、小殿筋、中殿筋、大殿筋と順に重なり合っていてるため、中臀筋、小殿筋の下支えは重要になります。

殿筋群の作用

大殿筋、中殿筋、小殿筋の作用は少しずつ違っているため、鍛えるためにはいくつかの運動法を取り入れる必要があります。

  • 大殿筋:股関節の伸展、外転、外旋 ※下部線維:内転
  • 中殿筋:股関節の外転、※前部線維:屈曲、内旋 ※後部線維:伸展、外旋
  • 小殿筋:股関節の外転、内旋、屈曲

殿筋群の作用は、股関節を伸ばすと曲げる、内側に捻る、外側に捻る作用では矛盾してしまいますが、これは1つの筋肉の中にも筋線維が上部、下部や前部、後部と分かれている場合があり、刺激された筋線維部で作用が変わってくるためです。

お尻の筋肉を鍛えてみる

ヒップアップのための殿筋を鍛える運動はいくつかありますが、今回は器具を使わず手軽にできる運動法を3つご紹介しますのトライしてみてください。

  • スクワットポジション
  • ヒップエクステンション
  • ヒップアブダクション
スクワットポジション

お尻や脚を鍛えるトレーニングとしては、スクワットは基本となります。
スクワットと聞くと体を上下に動かし、太腿の筋肉を鍛える膝の運動のように思われますが、スクワットは股関節を動かす筋肉を鍛えるトレーニングでもあり、殿筋を鍛えることができます。
今回は、上下にたくさん動かす運動ではなく、スクワットのポジションを維持してお尻の筋肉を鍛える運動です。

スクワットポジション
  • 足幅は肩幅くらいを目安に始めましょう。
  • お尻は落とし込むより突き出すイメージ
  • かがみ込む時は、膝はつま先より出ないように注意する。
  • 背すじは直線を意識して丸めない、反らさないようにする。
  • 顎は引きすぎず、上げすぎずで、背すじに合わせる。

以上の事に注意しながら、立位からゆっくりとお尻を突き出しながらかがんでいきます。
膝が床に平行になったところで止めこのポジションを維持します。5から10秒維持したあと、お尻を5~10回、10cmほど上下させて立ち上がります。
※維持する時間、上下させる回数は個人の体力に合わせてください。
ゆっくりと姿勢に注意しながらかがみ込み、立位に戻る時はやや早めで大丈夫です。
膝をつま先より前に出さないようにかがみ込む動作は、慣れないと少し不安定ですがお尻をしっかりと後ろに突き出すようにすることで安定します。

ヒップエクステンション

脚を後に蹴り上げるようにする運動です。

    ヒップエクステンションイラスト
  • この運動は、両手と両膝を着いた姿勢から始めます。
  • 片足を後ろに伸ばすように持ち上げていきます。
  • ゆっくり始めの姿勢に戻しますが、膝を床に着けないようにして動作を繰り返します。
■ポイント
  • 伸ばす脚の殿部筋肉に力が入っているかを意識する。
  • 腰が反らないように背中をまっすぐにする。
  • 両手と片膝の3点で体を支えるのでバランスに気を付け、脚を挙げていく時に体や骨盤を捻らないように注意しましょう。

スッと蹴り上げ、伸ばした状態を維持して、ゆっくりと戻すテンポから始めて下さい。
動かす速さや姿勢を維持する時間を変えること、膝を曲げて行うなどの動作を組み合わせて行うことで刺激を変えていくことができます。
脚を蹴り上げる動作では、勢いよく引き上げたり、無理に引き上げることで背中が反る姿勢になってしまうと腰痛の原因となるため注意が必要です。

ヒップアブダクション

側臥位で行う運動で、殿部の筋肉でも中殿筋が主となる運動です。
中殿筋は、安定した歩行には重要な筋肉です。

ヒップアブダクション ヒップアブダクション2
  • マットに横を向いて寝る。
  • 体を安定させるために下の脚を軽く曲げる。
  • 上になった脚を上方に持ち上げる。
  • ゆっくりと最初のポジションに戻る。

これが、基本動作となりますが、脚をやや前方の斜め上方に持ち上げ軽く足先を内側に捻る動作や斜め後方に持ち上げ足先を外に捻る動作などのバリエーションも取り入れてみると刺激されると殿筋が変わります。

3つのトレーニングをご紹介しましたが、どれも殿筋のトレーニングですので、お尻の筋肉の緊張を意識して行うことが大切です。

体操は日常での動作とは違い筋肉を意識して行うため、少しでも体を動かすことから始め、普段、意識することない筋肉や関節動作をすることで、体だけでなく脳への刺激にもなります。
また、ひとつの運動法でも動かし方を変えるだけで刺激も変わってきます。
筋肉に力を入れるときは素早く、弛める時はゆっくりの動作であったり、ゆっくりと力を入れてゆっくりと戻すなど色々と試して下さい。また、力を入れた状態で一定時間動きを止めるなども効果的です。
最初は鏡に映しながら行うと正しい姿勢動作が行えるようになります。

殿筋と太腿の筋肉

殿部を鍛える運動では、太腿の後ろにあるハムストリングス(大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋)も刺激されて緊張が強くなります。太腿の前にある大腿四頭筋や後ろのハムストリングが硬くなっている人は、骨盤の位置が不良になりやすいためストレッチなどで緊張を弛めてあげることが大切です。
ストレッチは、殿部だけでなくハムストリングやふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)、大腿前面の大腿四頭筋まで含めてストレッチ体操することをお勧めします。

殿筋群の運動は、張りがあって見た目の美しいお尻の形を作るためだけではありません。体を支え、歩行には重要な筋肉です。殿部の筋肉を鍛えることで歩行姿勢もよくなり、後ろ姿年齢が若返りますし、また、歩行姿勢が良くなることで、膝や腰の負担が減り膝痛や腰痛の予防や解消になります。

丸くなった背中、たるんだお尻では老けて見えてしまいます。ヒップアップ運動は、姿勢年齢へのエイジングケア、アンチエイジングとして効果的ですので、姿勢年齢マイナス10才を目指して張り切りすぎず、コツコツと続けて下さい。

始めよう!ハリと灸

鍼灸・吸角施術で疲労回復と柔軟性を!

なかなか運動の効果が出ない原因としては、運動量だけでなく運動フォームが悪い可能性があります。動かす方向や姿勢などをチェックして、殿筋の動きを意識するようにしましょう。また、筋肉の緊張が強く柔軟性がなかったりすると運動効果が上がりません。筋肉の緊張や疲労を解消してあげる事が大切です。

今回は、お尻にある殿筋群でしたが、殿筋のストレッチなどでハムストリングに張りを感じ方も多いのではないでしょうか。殿筋とハムストリングは連動して作用することも多いので、殿部や太腿の後が硬く突っ張る状態では、ヒップアップの妨げになります。また、ハムストリングは肉離れを起こしやすい筋肉でもあり、筋筋膜に疲労を溜めないようにすることが大切です。殿部から太腿の後ろのツボ(承扶穴と殷門穴)で筋や筋膜を弛めてあげましょう。

link肉離れと筋挫傷の鍼灸・接骨治療

おすすめのツボ

肉離れの治療や予防に使われるツボで太腿の後ろのツボ、承扶穴と殷門穴。

ツボの探し方
殷門と承扶のツボ
  • 承扶:太もも後面の中央線と殿部の下にできるシワとの交点に取る。
  • 殷門:太もも後面で殿部のシワと膝の後ろ中央を結んだ線上の中間やや上にあるツボ。

肉離れの治療、予防で筋・筋膜を弛めるには直接、筋筋膜を刺激するハリ施術がオススメですが、セルフケアであれば指やボールなどで押圧(指圧)して刺激しましょう。
※刺激はほどほどに!

セルフストレッチだけでなくマッサージ、鍼や吸角施術など色々と試してください。

食べて元気

夏の旬の食べ物:スイカ

夏と言えば丸くて縦縞のスイカですね。スイカは水分が90%以上ですが糖分やビタミンも含んでいるので、夏の汗をかく季節には少しお塩を振って食べれると、熱中症対策でのスポーツドリンクの代わりにもなります。少し重いですがスイカを持って海水浴やキャンプに出掛けてみてはいかがでしょうか。
※美味しくいただいたあとの食べ残しや皮は持ち帰りましょう。 ※スイカを食べたら熱中症に罹らないということではありません注意して下さい。

肌のケアもプラス

殿部の筋肉を鍛える運動と併せてたるみ、むくみの解消にお風呂上がりにボディローション使ってセルフマッサージ。 ふくらはぎまでしっかりと行うことで、リンパの流れを良くし疲労の回復を高め、血管が膨れ上がる静脈瘤の予防になりますし、お肌のケアもできます。

健康を維持するためのスポーツやトレーニング、関節や筋肉のケガによる痛みの治療についてなど、接骨院・鍼灸院ニュースレターです。
トレーニングや食事などの記事については、体調、体質に配慮して自己責任でお願いいたします。

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