手指部のスポーツ外傷・障害
スポーツ外傷ではスポーツの種目や年齢、性別により様々なケガや障害が発生します。
手指部に発生する痛みや違和感などの代表的な外傷・障害をピックアップしてあります。
※ここでは、手根骨の関節、手指をつなぐ関節、指の関節を中心に掲載し説明しております。
※一般の方に分かりやすくを心がけておりますが、不明な点がありましたらご相談下さい。
- 手指の構造
- 手指に発生する主なケガ・障害
- 手根管症候群
blur_linear手指部の構造
looks_one手根骨と手根骨との関節
手根骨同士の関節でブロックのように組み合わさっています。
looks_two手根骨と中手骨との関節
手根中手関節(CM関節)になります。母指は他の4指と比べ運動域が大きくよく動きます。
looks_3中手骨と基節骨との関節
手のひらの骨(中手骨)と指の根元になる基節骨との関節になります。
looks_4指の関節
指の骨は、指の根元から順に指先に向かって基節骨、中節骨、末節骨の3つの骨から成ります。
指の関節は、基節骨と中節骨をつなぐ関節(近位指節間関節:PIP関節)と中節骨と末節骨をつなぐ関節(遠位指節間関節:DIP関節)があります。
ただし、母指については中節骨がなく基節骨と末節骨となるため指節間関節(IP関節)のみとなります。

主な関節
- 橈骨手根関節
- 手根中央関節
- 手根中手関節
手根骨
大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鉤骨、舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨
blur_linear手指部に発生する主なケガ・障害
ケガ・障害をできる限りわかりやすく簡潔になるよう説明をしてみました。
スポーツなどで手指部に痛み、違和感、不快感がある方は単純な筋肉痛、疲労痛でない場合もありますので参考にして頂ければと思います。
詳細や治療方法などは、今後、個別に掲載していきます。
check_box手根管症候群
手根管は、手根骨と横手根靱帯(屈筋支帯)で作られるトンネル状の空間で、その中を正中神経と指を動かす腱が通過していきますが、ここのトンネル内で圧迫が強くなると手根管症候群が発生します。
繰り返し手関節にストレスでの腱鞘炎や手首のケガによるむくみ、腫れなどが原因となります。
スポーツでは、ラケットをしようする競技、弓道、アーチェリー、体操、投球競技、車椅子で行う競技などで多く発症します。
※妊娠・出産期や更年期の女性に、はっきりとした原因もなく起こることもあります。

info症状
正中神経領域の痛み、シビレ、麻痺などの知覚の異常、筋肉の萎縮など
check_box尺骨神経管(ギヨン管)症候群
手首でも小指側にある尺骨神経管の中を通る尺骨神経の圧迫・絞扼による狭窄で起こる障害です。
自転車競技、野球、ホッケー(ゴールキーパー)、ハンドボール、ラケットを使用する競技などで、尺骨神経を圧迫したり骨折などで発症します。

info症状
尺骨神経領域の痛み、知覚異常、筋肉の萎縮など。
check_box槌指(Mallet Finger)
突き指の一種で、指の第1関節(DIP)が伸びずに屈曲したままになったものをいいます。
指先が屈曲方向に強い力が加わって起こり、野球、バレーボール、バスケットなどの球技に多くみられます。
指先が伸びない原因としては、腱の断裂や剥離骨折が考えられます。
info症状
DIPの腫れ、痛み、変形など。
check_boxその他の外傷・障害
ばね指(弾発指)、PIP関節脱臼、中手骨頚部骨折(ボクサー骨折)、月状骨軟化症(キーンベック病)など。
check_boxおわり
手首から指のケガは、球技やラケットなど道具を使う競技に多くみられ、症状がみられる場合は固定や安静が必要となります。
症状が軽いからと競技を続けることで状態を悪化させることもありますので、治療を受けるようにしましょう。
痛みや運動痛、違和感、不安を感じたら早めに病院で検査を受けられるか接骨院、鍼灸院にご相談ください。
接骨院、鍼灸院では、ケガの状態を確認し検査が必要であれば病院のご紹介や病院での検査結果をもとに治療を進めていくこともできます。
※骨折、脱臼後のリハビリ施術には医師の同意書が必要となります。
※参考:スポーツ東洋療法、ボディナビゲーション